北海道昆虫文献リスト[ver.1]

この度、弊社から 北海道昆虫文献リスト[ver.1] を出版いたしました。

著者は、主に大雪山を中心に、昆虫だけでなく北海道に生息する様々な生物を長年調査研究してこられた、元層雲峡博物館長(層雲峡ビジターセンター長)、現在、大雪山自然史研究所を主宰されている保田信紀氏と、現在北海道の甲虫をはじめとする昆虫相の解明を精力的にしておられる北海道開拓記念館学芸員の堀 繁久氏のお二人です。

本書はかなり以前より企画されていたものの、なかなか出版までの運びとならずにあったものを、ご縁があって私どもが係わることになり、昨年度から出版に向けて準備をしてまいりました。当初の予定では、今年春を出版予定にしていましたが、いざ蓋を開けてみると出版までの道程は想像を遥かに超えるもので、北海道では初雪の声を聞く季節になってようやく出版までこぎつけることが出来た次第です。

昆虫類は種類数が膨大で、未だに知見は全く不十分な状況にありながら、その資料は膨大で出典は多岐にわたっており、北海道だけに限っても知り尽くすことは甚だ困難なものです。

本書の制作にあたり、出来るだけより多くの資料を網羅すべく著者や協力者の方々と努力をしてまいりましたが、まだまだ漏れがあるものと思います。 また、データベースの作成過程においてのミスも未だに存在していると思いますが、本書をベースとして、今後追加、修正の作業が成され、より正確な文献のデータベースが構築されていくきっかけになればと願い、皆様からのお叱りを覚悟で刊行いたしました。

このような多くの問題を抱えたままで刊行した本書ではありますが、私どもの携わっている環境調査における活用のみならず、研究者や愛好者の今後の北海道の昆虫相の解明や昆虫研究にお役に立つことが出来れば存外の喜びです。

2008年10月
(株)野生生物総合研究所
代表取締役 安細 元啓

北海道昆虫文献リスト[ver.1]の概要

  • 本文献リストで扱った昆虫類は、近年の分類に従って昆虫網(Insecta)の範囲で扱っており、基本的にトビムシ目(Collembola)やカマアシムシ目(Protura)の文献は含まれておりません。
  • 文献で扱った対象地域は、北海道の昆虫相の成立を考慮して、北海道とその周辺離島、千島、サハリン(樺太)に分布する昆虫の文献を扱っています。
  • 地域区分は、北海道とその周辺離島、千島、サハリンの他に、判る範囲で支庁名、あるいは道南、道東、大雪山、知床などの地域名で表記し、記録地が道内複数箇所に及ぶものや、詳細不明なものは北海道として扱っています。
  • 文献は「チョウ・ガ」、「コウチュウ」、そして「その他」の3つのカテゴリーに大別して掲載していますが、「その他」には前2区分以外の昆虫のほか、チョウとコウチュウやバッタとセミなどのように、2つ以上の分類群に及ぶ報文や昆虫類の総合調査など全般を扱ったもの、いずれの分類群にも該当しないものなども含んでいます。
  • 掲載した文献は「チョウ・ガ」で6,402件、「コウチュウ」が4,117件、そして「その他」で4,189件、合計で14,708件、全1巻347ページです。文献の掲載順は、それぞれのカテゴリー毎の雑誌名順に古いものから配列し、後ろに単行本を配列しています。
  • 文献の内容について主な分類群でカテゴリー分けしていますが、目(Order)別だけではなく、使用頻度の高い便宜的な呼称も用いています。
  • 雑誌名等はなるべく出版された当時の旧字体の名称を使用しましたが、人名は時代毎に同一人物でも旧字と新字が混在するため、それらは現在使われている文字で統一しています。 また、データベースでの整理の都合上、ドイツ語等のウムラウトなどの特殊記号は外し、ローマ字になっているものが含まれています。
  • 索引は、簡易的なものですが雑誌名および単行本名で作成しています。

ご注文

大変恐縮ですが、おかげさまで完売いたしました。